南原幹雄★付き馬屋おえん（３冊）★ 角川文庫・他
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「付き馬屋おえん 暗闇始末」 平成１４年１０月 文庫初版
「付き馬屋おえん 女郎蜘蛛の挑戦」 平成１６年 ２月 文庫初版
「付き馬屋おえん 吉原大黒天」 平成８年１１月 文庫初版
定価 ５５２円～６６０円＋税 ３１８頁～５９３頁
『暗闇始末』 第１編「付き馬屋おえん」は１９７８年おえんの初登場作。父親は娘のために馬屋（取り立て屋）を廃業するが、娘のおえんは女だてらに気が強く、かつての許婚の取立てを引き受ける。得意の鍵縄を使い、馬屋に情けは無用。第４編では、父親を殺され、その敵を色で返す。登場時は１９歳、かつておえんを捨てた許婚づけから取り立てる。最終編では２３歳行き遅れといわれる年になっているが、馬屋として押しもおされもしない。。
『女郎蜘蛛の挑戦』 ”付き馬屋”とは吉原の遊女屋から依頼を受け、踏み倒された代金を回収する仕事。落語に出てくる若旦那の後を付いて店まで金を取りに来る”付け馬”を、大掛かりに専門的にしたようなもの。ちょっととうがたった娘のおえんが、父の後を継いで、鍵縄片手に悪党から踏み倒した料金を取り立てる。この巻では７話が収録される。表題になっている天神屋おとよ（女郎蜘蛛）のように、敵役として何度も出てくる人物も居るが、基本的には一話読みきりだから、主役達の設定さえ知っていればどこからでも楽しめる。「おいらん地獄」「吉原枕さがし」「親指三百両」「女郎蜘蛛の挑戦」「足抜き師」「赤馬は疾った」「美男の悪党」。
『吉原大黒天』 シリーズ唯一の長編。西の丸御番衆が吉原で揚げ代を踏み倒した。依頼を受けた弁天屋おえんが旗本２８人を相手にあの手この手で取り立てる。番士衆にねたみを買いいじめられる若き旗本と、おえんを気に入った河内山宗春も関わって話が進む。「切った張ったは稼業じゃないが」は、ＴＶドラマの名せりふ。
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